各部署での実習内容(調剤~病棟)
各部署の実習内容の概要を示します。薬剤部内の業務内容の変更に伴い、随時、変更される可能性がありますので、ご注意ください。
調剤室|薬品管理(注射・薬務)|製剤室|薬品情報室|試験室|病棟|治験推進部
調剤室
実習期間 | 2週間 (調剤と注射は同じ実習期間に実施) |
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実習内容 | ・調剤室オリエンテーション ・錠剤、散剤、水剤、外用薬、一包化、麻薬 ・指摘されたインシデントについては記録を残し、SGDで共有する。 |
使用する資料 | ・実習テキスト ・医薬品集(各自で用意) ・覚えておきたい医薬品一覧(初日に配布) |
ポイント
薬剤師の基本となる業務である。調剤室で実際の薬剤をみながら、一般名と商品名を対比させ、薬の剤形、用法用量について、手を動かしながら覚えることで、薬剤師の基礎となる知識が身につく。基本的な調剤技能を学ぶとともに、単なる集薬に留まらず、実際の処方箋から情報を読み取り、処方監査をすることを意識しよう。岡山大学病院薬剤部で実際に行われているリスクマネジメントについても考察する。
薬品管理(注射・薬務)
実習期間 | 2週間(調剤と注射は同じ実習期間に実施) |
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実習内容 | ・注射薬の集薬、返却業務、定期の個人セット、重症系払い出し、麻薬注射 ・法的に規制がある医薬品の取り扱いについて(毒薬、向精神病薬、麻薬、生物学的製剤など) ・術後疼痛ラウンド(回診)への同行 |
使用する資料 | ・実習テキスト ・医薬品集(各自で用意) ・覚えておきたい医薬品一覧(初日に配布) |
ポイント
調剤と同様に、薬剤師の基本となる業務である。実際の薬剤をみながら、一般名と商品名を対比させ、薬について手に触れながら覚えることで、薬剤師の基礎となる知識が身につく。単なる集薬に留まらず、実際の処方箋から情報を読み取り、処方監査をすることを意識しよう。注射薬に関するリスクマネジメントについても考察する。また、法的に規制がある医薬品の管理についても学ぶ。身体を動かして行う実習であるので動きやすい服装が望ましい。
製剤室
実習期間 | 1週間 |
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実習内容 | ・抗がん剤混合調製、TPN混注手技 ・腫瘍センター見学、TST(つらさサポートチーム)カンファレンスへの参加 ・がん化学療法レジメンについての考え方 ・医療用麻薬や緩和ケアについて |
使用する資料 | ・実習テキスト ・医薬品集(各自で用意) |
ポイント
注射薬の混合調製について、実際の手技を学ぶ。過誤や被曝がないように混注するために必要な手技を繰り返し見学、体験することで基本的な手技を学ぶ。単に薬剤師の行う手技を見学するのではなく、なぜその操作を行うのか自ら考えながら、実習することが重要である。また、外来がん化学療法や緩和ケアにおける薬剤師の直接的な患者との関わりや多職種との連携について学ぶことができる。
薬品情報室
実習期間 | 1週間 |
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実習内容 | ・薬品情報室で行っている業務に関する説明 ・薬品情報室で取り扱っている各資料について ・実際にあった問い合わせ事例を考える ・くすりの窓口(患者向け資料の作成) ・薬事委員会における役割 ・新薬ヒアリングへの参加 ・薬剤管理指導室との合同カンファレンスへの参加 |
使用する資料 | ・実習テキスト ・医薬品集(各自で用意) |
ポイント
医薬品に関する情報がすべて集まっている部署である。病棟での医療スタッフや患者への情報提供を行っている病棟薬剤師とも関連が深い。また、医薬品の採用中止に関して薬事委員会の資料作成を行っている。実習期間(1週間)以外でも資料を利用してかまわない。
薬品情報室には、さまざまな人が出入りしており、問い合わせの電話がある。どんな人が薬品情報室を訪問するのか、どんな電話がかかってくるのか、テキストの課題だけではなく、普段の業務内容も意識して見学しよう。
試験室
実習期間 | 1週間 |
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実習内容 | ・院内製剤の作製 ・EBM実習 |
使用する資料 | ・実習テキスト ・医薬品集(各自で用意) |
ポイント
試験室では、院内製剤の作成を通じて、手技だけではなく、用いられている病態、材料となる成分の意味、院内製剤の意義を考える。また、EBM実習では、新規院内製剤の作成依頼があったというシナリオに沿って、一次資料を用いてシナリオに沿った情報を収集し批判的吟味を行う。
病棟
※担当部署は、薬剤管理指導室と癌化学療法管理指導室である。
実習期間 | 一般病棟4週間、超急性期病棟1週間 |
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実習内容 | ・病棟における薬剤管理 ・治療方針を理解した上での患者への服薬指導 ・薬物療法と病態の理解 ・適正な薬物治療を判断できる ・カルテや看護記録から情報収集ができる ・SOAP作成 ・患者とのコミュニケーション ・チーム医療の中での薬剤師(他の医療スタッフとのコミュニケーション) |
使用する資料 | ・実習テキスト ・医薬品集(各自で用意) |
ポイント
病棟実習は、患者と接する貴重な機会である。病棟内で他の医療スタッフの働きについても知ることができる。また、病棟での業務が、単独では成り立たず、薬剤部内の他部署の支援があって初めて成立していることも感じとってほしい。一般病棟では、薬局実習での経験を踏まえて、病棟へ割り振り、代表的8疾患が満遍なく体験できるように工夫しています。4週間の実習期間で担当した患者について症例発表を行います。発表準備に解いて、患者および薬物治療について深く理解します。超急性期病棟では、1週間という限られた実習期間ですが、患者の全身管理について、薬物治療の観点から学びます。また、病棟実習中は、NST回診、外来業務の見学なども行います。病院で働く様々な職種の役割やチーム医療のあり方について学びます。
治験推進部
実習期間 | 1週間 |
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実習内容 | ・治験についての概要(講義) :GCP、IRB、CRCの役割など ・治験薬管理の業務 ・治験に関する略号の勉強 ・CRCの実際の業務 ・治験薬払い出し業務 ・同意説明のロールプレイ |
使用する資料 | ・実務実習テキスト、治験独自のテキスト ・医薬品集(各自で用意) |
ポイント
薬の臨床開発について体験できる貴重な機会である。また、臨床試験(治験)に関わる様々な職種の働きや他部署との関わりについても学べる。ロールプレイを通じて、CRCの業務の一部である治験の同意説明を疑似体験することができる。